教員インタビュー

中林先生(以下:中)、インタビュー(以下、イ)

中林利克 先生

  • 所属 : 生化学I研究室(細胞生物学)
  • 名前 : 中林利克 先生
  • インタビュアー : 森、佐藤、西口、橋本

好きな食べ物はなんですか?

中 : 好きなものより、嫌いなものを言った方が良いですね。まず、椎茸ですが、その特有な臭いが嫌いです。 生椎茸はそれほど臭いがしないんですが、特に干し椎茸にするとものすごく臭いがするんですよ。 東北、仙台あたりでは、お彼岸やお盆などに "葛かけ"と言う、種々の野菜、椎茸、こんにゃくや丸麩の入ったしょうゆ味の料理を大きな鍋で作るんですが、 幼い時に椎茸の臭いが強烈だった記憶があって嫌いです。あと、牡蠣もその特有な臭いが嫌いです。僕は臭いのきついものは苦手でね。
でも、歳とともに少しずつ変わってきました。例えば、小さい時は、アクの強いにんじんが嫌いでしたが、最近は食べられるようになりました。 昔、にんじんを残した時、子供に「何でお父さんは食べないの?」って聞かれ、 「お父さんは子供の頃に沢山食べたから食べなくてもいいんだよ。あなた達は育ち盛りなんだから沢山食べなきゃだめだよ。」って言ったら「お父さんズルイ」って言われこともありましたね。

趣味を教えてください。

中 : 昔はプラモデルなどを作っていました。例えば、ガンダムなどを作って、色もちゃんと塗りましたよ。僕だけのオリジナルのものが、実家に置いてあります。
イ : 先生は器用なんですね。
中 : 器用というより好きなんです。初めて作ったのはプラモデルではなく、木製の潜水艦ですね。 売られているのは角材で、それを毎日やすりでコツコツと削って、丸い胴体の潜水艦を作るんです。 結構根気のいる作業でしたよ。その後にプラスチック製の"プラモデル"と言うものが出てきたんです。 当時、10円ぐらいで"ピーナッツシリーズ"と言った飛行機のプラモデルがたくさんあって、一週間のお小遣いが10円ぐらいだったので、一週間に一機ずつ作りましたね。 その他にも、ゴム動力飛行機も作りました。ロウソクで炙って少しずつ曲げて作った竹の部品をアルミの管をつなげて翼部分の骨格を作り、 うすい紙をその部分に貼るんです。最後に霧吹きで水を吹きかけると、今まで弛んでいた紙が乾くことでピンと張るんですよ。 飛びが悪い時には、骨格の角度などを修正します。小学生の時は、そんなことを毎日友達としていました。 近くの"つばさ"というプラモデル屋さんやおもちゃ屋さんに買いに行くのが楽しかったですね。初めてのお給料で大人買いしたものが、まだ家に残っています。
イ : 長いこと続けられているんですね。作られたモデルは先生の宝物ですね。

出身はどこですか?

中 : 東北、仙台の出身です。東日本大震災では実家が半壊でした。地震の一週間ほど前に実家に帰っていて、その時に買ったタジン鍋とカセットコンロが地震のあと活躍しました。何が幸いするかわかりませんね。
イ : 学生時代も仙台で過ごされたのですか?
中 : 学生時代は金沢で下宿でした。金沢は学生を大切にしてくれる町で、学生だと分かれば、 八百屋さんでは野菜の見分け方やおいしい食べ方などを教えてくれました。 また、下宿する前には、母が魚のおろしかた、煮方、作り方などを二、三週間特訓してくれたので、今でも魚をさばけますよ。

最近の休日の過ごし方は?

中 : 毎日の疲れをとるために、ただひたすらゴロゴロ寝ています。一番楽しいことは、ぼーっとして、テレビを見ることかな。
イ : どのような番組を見られるのですか?
中 : テレビの内容ではなく、特にコマーシャルを見ています。 授業の時に皆さんに話をするでしょう?「こんなコマーシャルを見たことがある?」って。あれは、こういうところで仕入れているんです。 例えば、グルコサミンのコマーシャルだとアセチルグルコサミンが出てきます。 それを皆さんに話して、「じゃあ構造式を覚えようね」っと話を進めたら分かり易いかなと思って。 「これは教材に使えるな。」と考えながらコマーシャルをぼーっと見ているので、番組の内容はあまり覚えていません。

先生はよく「1、1、1(予習、授業、復習を1時間ずつ)が大事だよ。」と教えてくれますが、他にも先生が大事と考えていることはありますか?

中 : 僕も学生時代には「1、1、1」を行ってきました。「明日は何をするのかな。」と考えておけば、意識が変わってくると思いますね。 あと大事だと思うことは、何かをするときは考えて行いましょうと言うことです。第六感も大事ですが、すぐに飛びつくのではなく、少し立ち止まって、「それでいいのかな。どうかな。」と考えることが必要と思います。

お忙しいイメージがありますが、健康面で気をつけていることはありますか?

中 : 食生活を野菜中心に変えました。あと"旬"を大切にしています。アメリカに行った時には「旬のものがないな」と感じました。 例えば、朝食はスクランブルエッグにベーコンと言ったように決まっています。 旬を、味覚で味わう、目で味わう、などいろんな味わい方があると思いますが、そういう感覚を大事にして下さい。 旬を感じることができるのは日本人特有の優れた感覚だと思います。

海外にはよく行かれるんですか?今一番行きたい国はどこですか?

中 : お正月などの休暇などを利用して時々行きますね。以前、ナイアガラの滝を見に行った時に、滝の上にダブルの虹がかかっていてすごく感激しました。 もう一度、ナイアガラの滝を見に行きたいですね。ただ、ダブルの虹は30年勤めている現地の従業員の人ですら初めてと言っていたので、よほど気象条件などがそろわないと見ることができないと思います。

今後、挑戦したいと考えていることはありますか?

中 : 早く定年を迎えて、プラモデルを作りたいですね(笑)。 ドイツ軍の"レオポルド"という列車砲と言って要は列車に280 mm長距離砲を設置し、 相手に見つかるとトンネルに逃げることができるものや同じドイツ軍の60 cm自走臼砲"カール"など、まだまだ作りたいものがあるんですよ。 あとは、まだ行ったことのない国に行って、もっといろんなものを見たいですね。

先生の人生の中で感銘を受けた言葉はなんですか?

中 : まず、限りある人生の間に人々はいろんなことを行い、時代が変わっていきます。 その中で人は自身が得たものを次の世代に引き継いでいく、これが人の役目ではないでしょうか? 「子は親の背中を見て育つ」と昔から言いますが、親の生き方を、子供が良いと思ったら引き継ぎ、嫌だと思えば反面教師となって別の道を選ぶと思います。 知らない間に皆さんも、次の世代の人生の教師になっているんですよ。だから、限りある人生を一生懸命生きて、それを見せることが大切だと思いますね。
このことに気付かせてくれたのは大学の先生です。 その先生は、卒業する前の学生を「〜君」と呼んでいましたが、卒業すると「〜さん」と呼ぶようになったので、先生にその理由を尋ねると、 「卒業生は会社に勤めて、研究室で行っていない自分の知らない世界・分野で働いている。それは自分にとって無いものである。 だから、自分にとって先生だよ。同格だから"〜さん"なんだよ。」と言われました。僕は、その言葉に感激し、同じ生き方をしたいと思いました。

武庫女生のイメージは?

中 : どちらかと言うと、あまり世間ずれしていない、純粋に考えてくれる素直な学生さんが多いんじゃないかと思います。 我々、教員の生き方を見て学生さんは物事を決めるので、いい加減なことは出来ないと思っています。 あと、その気になると頑張れる人も多いので「大丈夫!あなたなら出来るよ。」って言ったら、本当に出来るようになります。 ただ最近は少し冷めた見方をする人もいますが。。。自分と言うものも大切ですが、相手の言うことを受け入れられる広い心を大切にしてほしいですね。

武庫女生にメッセージをお願いします。

中 : 自分のことを中心に考えがちになりますが、少し外にも目をむけていろんな事に関心を持ってほしいですね。 一日に一度はニュースなどを見て、「今、何が起きているのか」、「"なぜ"起こったのか」なども考えて見て下さい。 皆さん、大人しくて素直に物事を聞いてくれるのは良いですが、物事の背景を考えると言うことも学んでほしいですね。
イ : ありがとうございました

(2013年2月28日インタビュー)


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