教員インタビュー

石黒先生(以下、石)、インタビュー(以下、イ)

石黒 京子 先生

  • 所属 : 生薬学研究室(天然物機能化学)
  • 名前 : 石黒 京子 先生
  • インタビュアー : 小川、森

好きな食べ物は何ですか

石 : 毎日食べても飽きないものはトマトかなぁ。どんなトマトでも好き。でも冷たくないトマトが好き。
イ : あと何か好きな食べ物とかありますか?
石 : トマト以外ならシチューとかも好きかなぁ。
イ : シチューおいしいですよね。

先生は料理されますか?

イ : 忙しくてあまりされませんか?
石 : たまにしかしないです。平日の朝は私が作るけど、昼は学校だし、夜は私の母が作ってくれているから、作るのは土日くらいね。

休日はどのように過ごされていますか?

石 : 平日は学校で忙しいから、日曜日はできるだけ出かけるようにしています。遊びに行ったり。
イ : どこに出かけますか?
石 : 買い物に行ったり、食事に行ったり、たまに山歩きや運動したり。
イ : 日曜日も学校きて、研究しているのかと思いました。
石 : そんな趣味はないです。
イ : (笑)じゃあ、土曜日まではきっちり学校ですか?
石 : そうです。休みは日曜日しかないから、土日が休みになればいいなと思っています。
イ : 多分学生も思っていますよ。
石 : 土曜日が休みなら、家のことも少し片付けて遊びに行くのにも余裕ができるけどね。

ペットを飼っていますか?

石 : 他の研究室の助手の人にもらった犬をそのまま飼ってます。雑種です。
イ : 大きいですか?
石 : 大きいです。日本犬だけど、結構大きい。Lサイズくらい。
イ : Lサイズ?!(笑)
石 : そろそろ年とってきた(18歳)から、介護してあげないといけなくて、夜はおしめしたりとかして。散歩も朝・晩、夫と共同でしています。結構手間がかかりますよ。大きくてあまり人になつかないから、人に預けることができない。家族全員が出かけるというわけにいかないから誰か家に一人いるの。
イ : 大変ですね。
石 : でも可愛いよ

武庫女生へのイメージは?

石 : イメージは明るくて、どっちかというと優しいかなぁと思う。
イ : 嬉しいです。

女子大だけの良いところはありますか?

石 : 私はずっと女子大にいるからわかるけど、力仕事でもなんでも自分たちでさっさとするでしょ、自主的に。誰かに手伝ってもらうんじゃなくて、自分たちにしかできないと思っているから、女子大の学生は自立心があるという感じね。
イ : なるほど。

どこかお薦めスポットってありますか?

石 : 大阪も新しいところがたくさん出来て、きれいになってきているけど、今だったら、西宮ガーデンズが一番近いからそこかな。
イ : 家から近いですか?
石 : 家に帰る途中にあるから、行けたらいいなぁって思うわ。でも、いつの間にか遅くなって、なかなか行けない。
イ : お忙しいとなかなか難しいですね。

マイブームってありますか?

石 : 西宮北口にある西宮芸術文化センターという所にホールがあって、そこでよくクラシックをやっているのね。
イ : クラシック聞かれるのですか?
石 : 今までは遠くに行かないと聞けなかったんだけど、そこは学校から近いし、帰りに行くことができるのね。
イ : 結構行かれるのですか?
石 : 2ケ月に1回くらい行きますね。音響効果が関西の中では一番いいと思うので。クラシックだけじゃなくて、色々やってますしね。本当は映画も好きなんですよ。なかなか大阪まで出る時間がないし、もう少し時間があればね。あとは、旅行も好きです。研究をしていると学会発表で、日本・海外と色々な所に行けるのも魅力ですね。ほんとうは学会で行くよりは遊びで行きたいですけどね(笑)
イ : 今まで行った中でどこが一番好きですか?
石 : たくさん行ったけど、また行きたいなと思うのは、ニューヨークとかパリのきれいな所かな。ニューヨークとかパリのようなエキサイティングな都会は日本にはないから何回行っても飽きないなぁと思います。
イ : 私も行ってみたいです。

スケジュールはぎっちりつまっているのですか?

石 : ずっとつまっています。
イ : 学会とかもあるのですか?
石 : 学会もあります。学会の日だけじゃなくて、その前から用意しないといけないから。
イ : 学会ではどういうことをするのですか?
石 : 自分の研究したことを発表する。自分が発表するときもあるし、学生さんが発表するときは手伝ったりしています。それと共同研究やっている他の人たちとも発表したりします。
イ : 定期的に学会はあるのですか?
石 : たくさんあります。研究は世界で誰もしていないことをしないといけないから、ちょっとでも早く発表しないといけないのよ。
イ : 先生は今どういうことを研究しているのですか?
石 : 主には植物の機能系に関することかな。一つは植物の花の色が変わるメカニズムやそれに関連する物質の解明、もう一つはアレルギーなどの治療効果を持つ植物を探して、有効成分の構造解析とか。
イ : すこし難しそうですね。
石 : いずれ分かるようになるよ。

研究室配属は6年ですよね?

石 : 研究室配属は5年・6年で、4年生の後期に決めます。5年は病院実習に行ったり、研究室に居たりの繰り返しだと思う。
イ : 忙しくなりそうですね。

宝物はありますか?

石 : 宝物と言えばいろいろな人との思い出かな。
イ : 先生は武庫川女子大学に来て、長いですか?
石 : もうここにきて、30年くらい。
イ : 大学も武庫川女子大学ですか?
石 : 大学もここ。
イ : 卒業して、助手になってからですか?
石 : 一度、武田薬品工業に入ってから大学院に帰ってきて、それからずっと助手をしていました。もともとは有機化学出身ですが、一年間、薬理学の助手をしてから、薬品化学研究室に戻り、17年いました。そのあと植物化学研究室へ移動して、7年ぐらい経った時、生薬学と合併して、今になったの。
イ : そうだったんですか。

助手はどうやってなるのですか?

石 : 大学を卒業してすぐになる人もいますが、最近は大学院を修了してからなるってことが薦められています。それで、助手になるには、研究室に空きがないとなれないの。空きがない場合は、他の研究室へ行ったり、研究生として待っているとかね。研究生っていうのは、月2万円くらい払って研究を行うのね。他大学に行って、空きが出たら戻ってくるとか、人それぞれね。
イ : 助手さんは研究室に5人くらいですか?
石 : 研究室には1〜2人くらいしかいない。あとは研究室に配属された学生さんが手伝ったりしています。でも、今は助手が5年任期になっているから、なかなか大変なところがあります。
イ : 助手のイメージは実習のお手伝いというイメージが強かったのですが・・・。
石 : 実習のお手伝いは、教育のほうね。研究というのは、自分でどこまで進められるかが問われていきますので、学会での発表や英語で書く論文などが必要となってきます。だから、研究者になるということは自分で勉強することだね。教えられたことを通り越して、その先を自分で開拓していくっていうことになるから、その能力が必要。
イ : 大変なんですね。
先生は留学されていたのですか?
石 : 講師になってから、大学からカリフォルニア州立大学のバークレイ校に研究員として1年間行っていました。一般の人が博士号を取ってその後にポスドク(ポストドクトラルフェロー)という制度で行く時は、何年行ってもOKよ。
イ : 他の先生は留学とかされているのですか?
石 : 多分ほとんどされていると思います。卒業してすぐに行く人が多いと思います。
イ : 制度があるなんて知りませんでした。

先生の理想のタイプは?

石 : 誠実な人かな。
イ : ご主人は誠実な方ですか?
石 : 誠実ですね。理想どおりではないけど・・・。
イ : 理想どおりではないのですか?!
石 : 理想のタイプっていうのは、理想でしょ。現実は違うから(笑)
イ : (笑)

なぜ薬学部を選ばれたのですか?

石 : 母からこれからは女の人も働かないといけないということを小さい時から言われていたので、考えて薬学なら一生仕事ができると思ったから。実際は有機化学が大好きで、大学2年の時から企業の研究所に行こうと決めていました。だけど、大企業でも行ってみると、私たちの時代は、女の人は2〜3年で適当に辞めるという感覚だったから、もう一度学校に戻って勉強し直そうと決めたの。それに大学4年生で所属した研究室の先生から研究の面白さを教えられたから、ずーとやりたいなぁと思ったの。
イ : 最近は女性が働く機会が増えましたよね。

企業の研究室はどういうことをするのですか?

石 : 企業によってテーマは色々違うけど、研究そのものの考え方は同じです。私は有機化学をやっていたから単一物質で物を見ることが好きだったの。だけど、行った研究室は主に製剤だったから、製剤化された品質がどれくらい分解しているかを定量する方法を作っていたので、気分的に私には合わなかったこともある。
イ : どれくらいいたのですか?
石 : あまり長くはいませんでした。でも、会社で定量法を作り上げて、論文を出したの。だから、武田研究所報に載っていますよ。
イ : 凄いですね。企業に入るのはすごく難しいですよね。
石 : 企業は景気にすごく左右されるし、特に研究職は男子から採用されるから、やっぱり国公立の人が優先されます。企業の研究室の人たちは、よく勉強していらっしゃって、厳しかったこともあるけど、学んだことは今でも覚えている。それをまた、若い人たちに伝えていきたいと思っているの。
イ : 先生の話を聞いていたら、就職はすごく大変そうですね。
石 : 大変っていうより、むしろ面白ければ何でもできると思うわ。仕事っていうのは、やっぱりその中に喜びを見出していかない限り、やっていけない。あと何分で終業時間が来るとか考えるようなことじゃいけない。私は勤め始めてから今までサボろうとか、なかなか時間がたたないなと思ったことは一度もない。何時間も仕事していても、時間を忘れるという感じよね。
イ : あっという間に時間が経つのでは?
石 : いつもあっという間に時間が経って、もうこんな時間と思うので、やっぱりこの仕事が好きなのかなぁと思う。
イ : 先生にとって天職ですね。
石 : そう考えると天職かもね。教えることも好きだし。今は実験の時間が少なくなって、大学の仕事が多くなってきたから結構しんどいけど。研究に没頭しているときは本当に楽しかった。
イ : いいですね。

受験生へのメッセージをお願いします。

石 : 最終的には自分の身についたものしか残らないと思うから、やっぱり自分の中に色々なものを蓄積していけるような場所として、大学に来てもらえればいいかなぁと思います。だから、学問に対して、この時期(特に若い時)しかできないことを吸収していってもらえればと。 精一杯一日一日大事に生きてほしいなぁと思いますね。

武庫女生へのメッセージをお願いします。

石 : 大学生になったら、誰かに助けてもらうのではなくて、いつも自分で考えて自分で行動できるような自立した女性になっていってほしいです。それに、プラス思考で生きていってほしい!プラス思考であれば、運も引き寄せられると思うしね(笑)
イ : ありがとうございました。

(2009年2月20日インタビュー)


トップヘ戻る