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薬学のすすめ

薬局で働く薬剤師

第3回 患者さんとのふれあいの中で

高校生のみなさん、今回は薬局で働く薬剤師が薬局でどんな会話をしているのかお話ししたいと思います。

うちの薬局を訪れるのは病気の方ばかりではありません。日用雑貨品・化粧品を買って帰られる方もおられます。あるお客様に「授乳中でも飲める痛み止めの薬はない?」と聞かれました。娘さんが授乳中なのですが歯が痛むようです。そういうときには「乳汁に移行しない抗生物質や授乳中でも服用できる痛み止めもありますから、歯科で受診してみてください」と答えます。その娘さんは早速歯科で受診して処方せんを持って来られました。授乳中だから痛みを我慢していたそうでとても喜んでくれました。

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医院で処方せんを持ってお薬をもらって帰るときに、一般用医薬品を追加で買われる方もおられます。あるおばあさんは、胃薬を処方せんでもらっているのに、胃が痛いと言って胃薬を買いにこられます。その人が飲んでいる薬を薬歴(薬剤服用管理歴)で確認しました。その出されている胃薬には胃酸の分泌を抑制するH2ブロッカーと呼ばれるものではありませんでした。それで痛みのある時だけH2ブロッカーを勧めてみました。

ある方は時々便秘薬を処方せんでもらっていますが、下痢がひどいと言って整腸剤を購入されます。便秘薬を飲むと便が柔らかくなりますし、薬が効きすぎると下痢気味になります。こんな患者さんには、便秘薬が処方された時はよく説明して、さらに薬袋に「べんぴ薬」と大きく記入し、下痢の時は飲まないように注意してもらいます。

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またある人は耳鼻科を受診されていて、耳鼻科が休診の日に耳鳴りが止まらないと薬を買いに来られました。最近は血流を改善し、耳鳴りを押さえるような循環器官用剤も市販されています。耳鼻科で同じような内服薬をもらっていないのを確認してその薬を販売しました。ところが3日後また耳鳴りを訴えて薬を買いに来られました。結構高価な薬だし3日で飲み切る量でもないので、一度家に帰って先日買った薬が家のどこかにあるはずだから探してみるように言って帰ってもらいました。するとしばらくして「あったよ」と言いにきてくれました。

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こういうふうに薬局は薬を販売するだけでなく、お客様の症状を聞き、必要があるなと思えば医療機関を受診するようにおすすめします。その人の家にある薬を聞いてそれが症状にあっているようであればその薬を服用すれば新たに購入する必要はなくなり、無駄な出費をせずにすんだりします。

薬局閉店後に買い物途中で患者さんと出会い、いつも飲んでいる薬と他の医院でもらった薬で、飲み合わせしても大丈夫かと聞かれました。顔を見ればその人が普段飲んでいる薬は浮かんできますので、薬の種類を簡単に聞かせてもらってお答えしたりもします。こんなふうに地域のみなさんの不安を解消して健康管理を支援していくのが薬剤師です。もっと勉強して、地域でより役に立てるような薬剤師をめざして日々研鑽していきたいと思います。

2008.07.17辻内秀美 (1987年 生物薬学科卒)

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