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薬学のすすめ

薬局で働く薬剤師

第2回 調剤室内での日常

高校生のみなさん、今回は薬局で働く薬剤師が調剤室の中でどんな仕事をしているのか紹介していきたいと思います。薬剤師が薬局内のガラス張りの調剤室の中でどんな仕事をしているのかご存知ですか。白衣を身につけてはいるもののいつも背をむけて仕事をしている「顔の見えない薬剤師」と言われる事もあります。

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処方せんを受け付けている薬局は保険薬局と言い、処方せんによる保険調剤を行っています。保険薬局で保険調剤を行う薬剤師は保険薬剤師と呼ばれますが、保険薬剤師は、処方せんを受け付けた際、確認しなければいけない項目があります。

まず、処方せんに記載されている項目を確認します。保険者番号が記載されているか、保険調剤なのかどうかを確認します。そして保険医の記名押印または署名がある事を確認します。処方せんの使用期間は交付日から4日以内と決められていますので、処方せんの公布日を確認します。その後に処方せんに記載されている医薬品の在庫の有無を確認します。手元に在庫がない場合は後で薬を揃えて配達したり、郵送したり、調剤でき次第取りにきてもらえるか確認します。医薬品名の規格単位を確認し用法用量を確認します。もし疑わしい点があれば処方した医師に照会する必要があり、これを疑義照会といいます。

また、2種類以上の医薬品が処方されている場合には飲み合わせ(相互作用)に注意する必要があります。患者さんの薬剤服用歴(薬歴)を作成するために新患の方にはインタビューカードを記入してもらい、再来の方には薬歴を確認します。薬歴の管理をすることによって、きちんと服薬できているか(コンプライアンス)副作用歴を確認したり、重複投薬、相互作用を確認するのです。

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平成20年4月からは後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進が決まり、処方されている医薬品の後発医薬品の有無や、患者さんが後発医薬品の使用を希望されているかどうかを確認します。このような確認をしてから、調剤が始まるのです。

調剤には、錠剤・カプセル剤などヒートシール包装での計数調剤や散剤・顆粒剤を計量・混合して分包機で分包したり、液剤を混合したり、軟膏を混合したりと多岐多様にわたります。患者さんの特性に応じて、服用時点ごとに一包化したり、錠剤を飲み込めない患者(嚥下困難)や経管チューブなどで投薬する患者には、錠剤を粉砕して調剤します。調剤した薬は監査という行為によって再確認されます。薬袋とあっているか、お薬手帳・薬剤情報の内容とあっているか確認して、調剤した薬を患者さんに渡すのです。手渡すときに服用方法はもちろん、薬歴を確認しながら、服薬する上での注意点等調剤した薬剤の適正な使用のために必要な情報を提供します。その情報を薬歴に記録し、また調剤録を作成して調剤が終了するのです。

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1枚の処方せんを受け取った一連の流れが理解して頂けたでしょうか。このような業務を日々保険薬剤師は行っています。

2008.05.08辻内秀美 (1987年 生物薬学科卒)

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