- 2025.05.29
- 薬学科
- 受賞
- 薬学科6年生が 日本薬学会第145年会で学生優秀発表賞を受賞しました
薬学部 臨床製剤学研究室(吉田都教授)に所属する、薬学科5年生(発表時)の渡辺万祐子さんが、2025年3月26日~29日に福岡国際会議場で開催された日本薬学会第145年会ポスター発表の部門において、学生優秀発表賞を受賞しました。
渡辺さんは、「γ-ウンデカノラクトンのカンジダ・アルビカンスに対する抗真菌活性」について発表しました。γ-ウンデカノラクトンに代表される中鎖脂肪酸ラクトンは香料として食品に添加されることがあります。また、デオドラント製品の中に含まれていることもあります。10代女性に多く、特有の甘い香りの原因として知られるのがラクトン。特に、γ-デカラクトンとγ-ウンデカノラクトンが、女性特有の甘い香りの原因とされています。この香りは10代後半をピークに、年齢とともにその濃度が減少することが分かっています。皮膚疾患の原因となる病原性真菌であるカンジダ・アルビカンスに対してγ-ウンデカノラクトンが強い殺菌作用を示すことを世界で初めて明らかにしました。更に本研究成果においてγ-ウンデカノラクトンは、カンジダ・アルビカンスの菌体表面に小さな孔を形成することによって殺菌作用を示すため、従来の抗真菌薬とは異なる作用機序であることが示されました。従来の抗真菌薬に耐性を起こしたカンジダ・アルビカンスに対しても殺菌作用を示す可能性が考えられ、本研究成果の薬学的な意義は非常に大きいと考えられます。
本研究成果は、令和6年度架橋横断的重点共同研究支援を受けた研究「女性に優しい!地球に優しい!武庫女発フェムテック開発;抗菌消臭快適サニタリーシステムの提案」の成果の一環であり、武庫女発フェムテックによる抗菌消臭快適サニタリーシステムの開発へと繋げていきます。
渡辺さんの発表は、熱意に溢れ、わかりやすいことが評価されました。また、その研究内容は、学術上注目すべきであり、将来が期待できることが評価され、受賞に至りました。
「吉田先生、林先生そして臨床製剤学研究室の仲間のお蔭で受賞できました。研究成果は臨床製剤学研究室の皆の力を結集して得られました。感謝しています。今後更に研究成果が得られて武庫女発のサニタリーシステムの開発に繋げられたらと思います。」
と渡辺さんは言います。
渡辺さんの受賞については、臨床製剤学研究室の皆で喜びを分かち合いました。皆の士気が上がり、薬剤師国家試験合格や卒業研究へのモチベーション向上に繋がりました。
本学薬学部薬学科臨床製剤学研究室は今後も、「全ての人に健康な未来を」をスローガンに研究室員全員の叡智を結集させて得られた研究成果を社会に広く発信し、人々の健康に貢献することを目指します。
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