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2025.05.02
健康生命薬科学科
受賞
健康生命薬科学科4年の学生が日本薬学会第145年会で学生優秀発表賞を受賞しました

本学薬学部健康生命薬科学科4年(発表時)の永井愛乃さんが、2025年3月26日~29日に福岡国際会議場で開催された日本薬学会第145年会ポスター発表の部門において、学生優秀発表賞を受賞しました。

永井さんの発表演題は、「過活動膀胱治療薬ミラベグロンによる陽性変時作用は、β3およびβ2ではなくβ1アドレナリン受容体が関与している可能性」です。医療現場で問題となっている、泌尿器疾患治療薬が引き起こす動悸や頻脈などの心臓への副作用に着目し、この薬剤が心臓に及ぼす生理機能を詳細に検討しました。その結果、この薬剤による動悸のメカニズムを初めて解明しました。さらにこの発見は、この薬剤の副作用が発現した際の新たな対処療法の開発につながる可能性を示しており、臨床的な意義が大きいと考えられます。

 

永井さんは、卒業研究で食品機能科学研究室(指導教員:野口和雄教授)に所属し、「医薬品の循環器系副作用のメカニズムを解明し、その安全性を向上させるためのエビデンスを社会に発信することで、健康維持・増進に貢献する」という研究室の目標達成を目指し、医薬品による心血管系機能への影響について、有効性と安全性の両側面から研究に取り組みました。現在は、本学大学院薬学研究科(薬科学専攻・修士課程)に進学し、研究テーマとして、食品の代謝産物による心血管系機能に与える影響を検討しています。この研究を通じて、機能性食品の摂取が疾患予防に与える効果のエビデンスを社会に発信し、国民の健康寿命の延伸に貢献することを目指しています。これにより、永井さんの研究者としての更なる成長が期待されます。

 

本賞は、厳正な審査の結果、将来の発展が期待される研究発表をした学生に対して贈られます。今回は、熱意に溢れ、わかりやすいこと、学術上注目すべき、将来が期待できる研究内容であったことが評価されました。

 

日本薬学会第145年会HP

https://pub.confit.atlas.jp/ja/event/pharm145/content/prize