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研究室と教員

腫瘍薬理学研究室(薬理学 I )

わが国の死亡原因の第一位はがんです。タチの悪いがんは、発生した部位、すなわち原発がん巣に留まらず、他のいろいろな臓器へ転移して転移がん巣を形成します。これが、がんの治療を困難にしている大きな要因であると考えられています。当研究室では、がんが転移するしくみの解明とその予防薬の開発を行っています。今までの研究成果として、タンパクキナーゼCという酵素の働きを阻害する物質にがん転移抑制効果のあることを報告しています。現在は、中国において滋養強壮作用のある生薬として煎じて飲まれている冬虫夏草に注目し、その成分であるコーディセピンに抗がん作用やがん転移抑制作用のあることを見つけ出しました。 また、がんや心臓病の発症に関わりの深いタバコ煙中の有害物質のがん転移への関わりを調べる研究も行っています。タバコを吸う習慣をなかなか止められない原因物質のニコチンや発がん物質を含むタールといった主要成分については、今までに十分に研究されてきましたが、当研究室では、ニコチンやタール以外の有害物質に注目しています。